E1  太地半島周回コース  7位

チャンスというのは・・・
転がってるモノを拾うのではなく、掴みにいくもの。
と考える。イメージでいうとこんな感じ。
※個人的にこう見えてるだけなのであしからず。
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最強に強い人、いわゆる天才といわれる人は
絶対的な力を持ってして、獲るべくして獲るからチャンスなんてのは目もくれない。
もしかするとチャンスなんて概念もないのかも知れない。

それはさておき、僕のような凡人が勝負に挑むにあたっては
「いかなる時がチャンスであるか」を見極めなくてはならない。
自分にあるかどうかも怪しいものだが、「絶対的な力」というものが
衰退しつつある今日この頃、表彰台に上ろうと思えば、
このチャンスというもの見極め、それを確実に活かさなくては勝機は見出せない。

チャンスを見極める目、それは経験がなせる業であって、
これまでの競技経験の積み重ねによって培われる。
そしてもう一つ大事な事は「チャンスを掴むための脚」がいる事。
せっかく「ここがチャンスだ!」と思ってもついて行けなければ意味がない。
ずっと踏んでいける脚でなくとも、要所要所で踏める脚、そんな脚がいる。
それもまた普段の練習の積み重ねの上に培われる。

これらを理解していれば、
絶対的な剛脚がなくてもなんとかなるんじゃないかというのが僕の持論。

前起きが長くなったが、入賞を目論んで挑んだ太地ステージ。
チャンス云々語る前に漁港の登りを3回も登れるかどうかが
不安でいっぱいであったのはココだけの話。

1周目。
前で走ることを心掛けていたが、漁港に近付くにつれて集団が活性化する。
みんな登りに入る前のシケインをいい位置で入ろうとする。
またこの区間は対面通行で道幅が狭くなるので
無理に上がろうとする事は落車の危険をはらんでいる。
で謙虚な姿勢で挑むと、鬼の立ち上がり、地獄の登りに苦しめられる。
太地ステージ攻略のポイントは登りを前のほうでクリアする事。
登り切ったところで集団のスピードがアップし、下りまで続くので
登坂中、千切れ組に入ったりすると復活は厳しいものとなる。
1周目は千切れ組ではないが、それに近いあがき組に入ってたので
それはそれはもうヒドイ目にあった。
インターバルに次ぐインターバルがホームストレートに戻るまで続いた。

2周目。
懲りたのでシケインに入る前には少しアグレッシブに行ってポジションを上げる。
登りでは絶対的に強い選手達がグングン登るので
前のほうで入ったとしても、徐々に後方に下がる事となる。
ただKOMは集団で越えることになるので
無駄な追っかけが発生しないので、生き残る手段としては大切な事である。
前の方で走るのもしんどいが、やはり後方からついて行くより数段楽である。
問題である3周目の登りに備えて脚を温存できた周回だった。

3周目。
無事に登りもクリアできたので、あとは集団の動きをよく観察しながら
展開についていく。
若干いっぱいいっぱい感であるが次の「勝利への鉄則」を酸欠気味の頭で再確認した。
①まず下りはできる限り前の方で突入する事。
②後方となった場合、漁港で置いていかれない事。
③もし千切れた場合はトンネルまでに追いつく事。
④トンネルでのアタックは見逃さない事。
⑤去年失敗した「500m to GO」で早掛けしない事。

シチュエーションを考えながら岬部分のアップダウンをクリアしていく。
そして半島のピークに達する頃、3人の選手がアタックした。
高校生選手だったか、かなり勢いよく飛び出していった。
集団はあまり反応しない。

「勝利への鉄則①」を完遂するため、ここは反応所でしょう。
またその先の展開を考えた場合、下りの集団は間違いなくカオスとなり、
無理な追い越し等で落車の危険がある、仮に集団内全員がこれらを鑑み、
整然と下った場合、逃げた3人には圧倒的なアドバンテージを
与える事となる。
アタックが掛かった瞬間にこれらの事が頭をよぎった。
それと同時にこれがいわゆる「チャンス」だと認識。

僕も渾身の力を振り絞って飛び出した!
誰も被ってこないが仕方無い。何としても追いつくのだ!
しかし、やつら速い!
「絶対、あきらめねぇぞっ!」
合流まであと数mのところで「ヤバい、脚いっぱいや!」というのが正直なところ。

ところが、急に、

「根性見せいっ!」と怒声がして、1名の選手が僕を抜いていく。

芸人のネタではないが「ちょ、ちょっと、待ったらんかい、おにいさんっ!」
逃げた選手を先頭交代なしで追いかけたの僕ですけど・・・・。
合流間際にサラリと行ってそりゃないでしょう(苦笑)
ま、その一言で良くも悪くも喝が入った事は間違いない。

その後、無事に合流する事ができ、自分のラインで下り、漁港を突破。
「勝利への鉄則」①~④を問題なく完遂できた。
チャンスを見極め、がっちりチャンスを掴み、勝利への足固めは出来た。
再びトンネルでのアタックも難なく反応し、残り500m地点までに
10数名のトレインが組みあがった。
しかし500mを切ったところでスプリントが掛かった。
去年失敗した距離ではあるが、前に10人ほどいるので今回は大丈夫だろうと、
冷静に判断し、速度を上げて行く。
残り200mを切ったとき、前に3人だった(と思う)ので正直「表彰台獲った!」と思った。

油断はしてなかったが、とても残念な結果となってしまった。
一度でも後方を確認して、状況を掴んどいてもよかったかなと思う。
まぁ、500m切った時点で全力で行ってたから
確認したところで何か出来たというわけでもないが。
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これまでの長い競技生活で涙なんて出た事はなかったが
なんだか今回は出ちゃったね。
悔しいやら悲しいやらで。
今度は掴んだチャンスを形するための脚を作らないとね。

ツールド熊野 リザルト
1日目   8位
2日目  18位
3日目   7位
個人総合 7位

この3日間、チームとしても大健闘だった。
ちなみにチームランキングが22位まで上がった。
ポイント獲得率は上位チームに勝る内容だった。
1名落車により負傷してしまったが
しっかり養生し、戦線復帰してもらい、
また全員で頑張っていきたいと思う。

次は広島で。

おしまい